どこにでもいる30代SEの学習ブログ

主にプログラミング関連の学習内容。読んだ本の感想や株式投資についても書いてます。

男女の失業率で独立性検定をやってみる

2020年 労働力調査:e-Stat 政府統計の窓口」によれば、日本の失業率は「2.8%」です。

性別でみると男性が「3.0%」、女性が「2.5%」で差があります。今回はこの差が統計的に有意なもの(性別が失業率に影響するか)か検定しました。

仮説を立てる

帰無仮説を「失業率と性別は独立(無関係)」とします。なので、対立仮説は「失業率と性別は独立では無い(関係がある)」となります。

有意水準は5%とします。有意水準とは、誤って帰無仮説を棄却する確率です。この場合、帰無仮説「失業率と性別は独立(無関係)」を誤って棄却する確率が5%ということです。

クロス集計表

まずは、調査結果を表にまとめます。割合(失業率)ではなく、失業者・非失業者数を表にします。

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理論度数表

「性別による失業率の差は無い」と仮定した場合の理論値を算出します。性別による差が無ければ、割合(失業率)は男女で同じになるはずです。

理論値は以下の式で求めます。

一例を示すと次の通りです。fi, fjは対応する行・列の合計値、nは全体の合計です。

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他も同様に計算を行うと以下の表ができます。

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相対誤差

続いて、相対誤差を表にします。相対誤差は以下の式で求めます。

一例を示すと次の通りです。fi・fj/nは理論値のため、既に求めた理論値を使います。

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他も同様に計算を行うと以下の表ができます。

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相対誤差の合計(表の右下)である「16389.945」がカイ二乗になります。

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この値と、有意水準5%のカイ二乗値とを比較して、帰無仮説が棄却されるか/されないかが決まります。

カイ二乗

クロス集計表は2x2です。自由度は(行数-1)x(列数-1)なので、今回の自由度は1となります。

有意水準5%、自由度1のカイ二乗値は「3.841」です。ExcelやNumbersでは「CHIINV」関数で求めることができます。

結論は?

「16389.9 > 3.841」なので、帰無仮説「失業率と性別は独立(無関係)」は棄却されます。

つまり「失業率と性別とは関係がある」と言えます。

考えてみれば、当然の結果と言えます。男女それぞれ約3,000万人ほど集計して0.5%(約15万人分)差があるので、性別による影響があると想定できます。

女性の失業率が低い理由

結論わかりませんが、一般的には「女性の方が非正規でも良し(やむ無し)とする」という理由が挙げられています。

私は、夫婦のうち奥さんが共働きを断念するケースが多いからでもあると考えています。日本の失業者・労働力人口の定義では、就業を諦めた人を含みません。

労働力人口】5歳以上の人口のうち,「就業者」と「完全失業者」を合わせたもの
【完全失業者】次の3つの条件を満たす者
1. 仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない。)。
2. 仕事があればすぐ就くことができる。
3. 調査週間中に,仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む。)。
引用元:統計局ホームページ/労働力調査 用語の解説

共働きしたいけど不景気や家庭の事情で、奥さんが就業を断念するケースが多いのではないかと。そもそも、お子さんがいながら共働きする家庭はいつもすごいなと思います。

終わりに

身近なデータで独立性検定をやってみました。そんなに難しいことはやっていないのですが、慣れていないと思った以上に大変なものでした。

出典

アイキャッチMediamodifierによるPixabayからの画像

参考文献

平均身長と体重から母平均と母分散の検定を復習する

だいぶ以前に読んだ「完全独習 統計学入門」の内容を思い出しがてら、記事を書きました。

小学生や中学生の頃、年に何回か身体測定をしていた記憶があります。小さい頃は身長も体重もどんどん変わっていくため、一喜一憂していました。

大人になってからも毎年の健康診断で測定しますが、大きく変わることはもう無いので子供の頃のようなワクワク感はありませんね。

毎年、全国の学校で測定したデータを用いて、各年齢の平均身長と体重が算出されています。詳しいデータは「政府統計 e-Stat」から見ることができます。

2019年度のデータを参照して「完全独習 統計学入門」の内容を復習しました。

17歳の平均身長と体重

「2019年度 学校保健統計調査」によれば、17歳の平均身長と体重は次の通りです。

男性:身長 170.6 cm、体重 62.5 kg
女性:身長 157.9 cm、体重 53.0 kg

この数字はあくまで平均です。当たり前ですが、全員がこの身長・体重というわけではありません。人によって異なり、全体としてはバラ付きがあります。

身長や体重は正規分布に従うと言われています。学校保健統計調査には、平均だけでなく標準偏差も載っています。平均と標準偏差を元に以下のようなグラフで表せます。

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縦軸は確率密度、横軸は身長です。平均身長を中心に左右に分布しています。

全高校生の平均ではない

この平均身長と体重は、すべての高校生の平均ではありません。全高校生の身長と体重を測定するのは大変なため、全国の高校から抜粋して調査を実施します。

身長・体重の調査対象人数は126,900人で、全体の5.2%を抽出しています。詳しくは下記リンク先に載っています。

学校保健統計調査-令和元年度(確定値)の結果の概要:文部科学省

本当の平均身長は?

t分布を用いて、17歳男性の本当の平均身長を求めてみます。

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(sは不偏分散ではありません)

統計量Tの式に、実際の数値を当てはめてみます。標本数は126,900人です。男女の比率は分からないので、ここでは半々と仮定します。男女とも63,450人とします。

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自由度は標本数から1引いて63,459です。自由度63,459のときのt分布の95%信頼区間を確認すると「1.960」です。よって、以下の式を解けばよいことになります。

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この式から「本当の平均μ」は「170.55〜170.65 cm」の範囲に95%含まれます

これは、ほとんど平均と差がありません。0.05cmなんてほぼ0に等しく、測定誤差の方が0.05cmよりも大きそうです。

測定した人数が十分多いので、全体の5.2%から抽出した平均身長でも十分と言えるわけです。

ちなみに、その他の平均についても95%信頼区間を求めると次の通りです。

  • 17歳男性 平均身長 170.55〜170.65 cm
  • 17歳男性 平均体重 62.42〜62.58 kg
  • 17歳女性 平均身長 157.86〜157.93 cm
  • 17歳女性 平均体重 52.94〜53.06 kg

本当の標準偏差は?

本当の標準偏差も求めてみます。カイ二乗分布を用います。

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統計量Wの式に、実際の数値を当てはめます。

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自由度63,459のときのカイ二乗分布の95%信頼区間を確認すると、相対度数97.5%が「62,753」、相対度数2.5%が「63,447」です。よって、以下の式を解けばよいことになります。

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この式から「本当の母標準偏差σ」は「5.870〜5.903」の範囲に95%含まれます

標準偏差も平均と同じで、ほとんど差がありませんでした。つまり、標準偏差5.87は十分信頼できる数値と言っていいでしょう。

終わりに

「完全独習 統計学入門」は読みやすい本でした。筆者が超入門書と謳っている通り、統計が苦手そうな人にも分かりやすいよう工夫されています。

久々に読みましたが、あまり覚えていませんでした。しばらく使わないと忘れてしまうものですね。

出典

アイキャッチの画像はTumisuによるPixabayからの画像

参考文献

完全独習 統計学入門 | 小島 寛之 |本 | 通販 | Amazon

【政府統計】家賃の金額別分布、居住室の畳数別分布[e-Stat(政府統計): 住宅・土地統計調査]

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*1

今回は、政府統計の総合窓口(e-Stat)の「平成30年 住宅・土地統計調査)」より、全国の都道府県の家賃を取得しました。

「住宅・土地統計調査」では家賃の金額のみではなく、家賃の金額別分布や、居住室の畳数ごとの家賃なども載っています。

[1] 家賃の金額別分布

[1-1] 金額別分布の全国平均

「平成30年 住宅・土地統計調査」によれば、住宅用借家の総数は約1,800万戸*2あります。

これらを家賃の金額別で見ると、4〜6万円未満が全体の30%を占めています。また、全体の7割は2〜8万円にかたまっていることが分かります。

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一方、東京都の分布を見ると6〜8万円未満が最も多く、全国との違いが見られます。

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[1-2] 都道府県別の金額別分布

家賃が全国の中でも高額な東京都、神奈川県、京都府の分布を比較してみます。家賃0円〜6万円未満で見ると、全国は約60%、東京都は約30%、神奈川県は約40%、京都府は約60%となっています。

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一方、家賃が低額な青森県、宮崎県、北海道についてです。家賃0円〜6万円未満は、3道県ともに80%前後を占めています。

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[1-3] 京都府の分布が全国と似通っている理由

京都の分布が全国と似通っていますが、これは全国平均が押し上げられた結果です。以下のグラフは、全国の借家数のうち各都道府県がどれくらいの割合を占めているのか示したものです。

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家賃が高い都道府県は人口が多く、借家数も多い傾向にあります。東京都、大阪府、神奈川県、愛知県だけで全国の40%を占めています。そのため、全国平均が高額家賃の都道府県の方に偏ったと言えます。

[2] 居住室の畳数別家賃

[2-1] 居住室の定義

居住室の定義は、その名の通り居住空間です。なので、トイレや廊下、洗面所や浴室は含みません。

「居住室」とは、居間・茶の間・寝室・書斎・客間・仏間・食事室兼台所などをいいます。

統計局ホームページ/平成30年住宅・土地統計調査 調査の概要

[2-2] 畳数別家賃の全国平均

居住室の畳数別家賃の全国平均は次の通りです。当たり前ですが、広くなるほど家賃が高くなっています。

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居住室の定義から考えると、下記が大まかな目安になります。

  • 5.9畳以下 → 狭いワンルーム
  • 6.0~11.9畳 → 1R, 1K, 1DK
  • 12.0~17.9畳 → 1DK, 1LDK, 2DK
  • 18.0~23.9畳 → 1LDK, 2DK, 2LDK
  • 24.0~29.9畳 → 2LDK, 3DK, 3LDK
  • 30.0畳以上 → 上記以上

[2-3] 都道府県別の畳数別家賃

家賃が高額な都道府県と全国平均を比較すると、東京都が群を抜いて高いことが分かります。

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家賃が低額な都道府県は、東京都と比べると劇的に低くなっていると感じられます。一人暮らしが6.0〜11.9畳だとすれば、東京都は約6.5万円、青森県は約3.5万円と3万円の差がありました。

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終わりに

今回は、人口の多い都道府県の結果に全国平均が押し上げられていました。平均を見る際にはデータの偏りを考慮する必要があると実感できました。

出典

*1:PIRO4DによるPixabayからの画像

*2:正確には18,976,200戸

【政府統計】都道府県、市区町村別の家賃高額/低額トップ10 [e-Stat(政府統計): 都道府県・市区町村のすがた]

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*1

前回に引き続き、政府統計の総合窓口(e-Stat)の「都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)」から、全国の都道府県・市区町村の家賃を取得しました。

今回は、都道府県別、市区町村別の高額/低額トップ10をまとめました。

[1] 都道府県別ランキング

[1-1] 高額トップ10

最も高いのは東京都でした。神奈川県とは1畳あたり千円の差があり、神奈川県と京都府でも600円の差があります。

地域 1畳当たり家賃
東京都 ¥5,128
神奈川県 ¥3,898
京都府 ¥3,282
埼玉県 ¥3,276
大阪府 ¥3,227
千葉県 ¥3,198
兵庫県 ¥2,872
愛知県 ¥2,824
宮城県 ¥2,753
静岡県 ¥2,646

[1-2] 低額トップ10

最も家賃が安いのは青森県でした。最も高い東京都と比較すると、1畳当たり4千円の差です。

地域 1畳当たり家賃
青森県 ¥1,882
宮崎県 ¥1,972
北海道 ¥2,016
秋田県 ¥2,016
鹿児島県 ¥2,016
岩手県 ¥2,021
愛媛県 ¥2,047
高知県 ¥2,058
山口県 ¥2,079
熊本県 ¥2,082

[2] 市区町村別ランキング

[2-1] 高額トップ10

市区町村別の高額家賃は、東京23区がトップ10を独占しています。港区に関しては、1ルーム10畳の部屋でも約9万円の家賃になります。

地域 1畳当たり家賃(円)
東京都 港区 ¥8,992
東京都 千代田区 ¥8,594
東京都 渋谷区 ¥7,705
東京都 中央区 ¥7,600
東京都 文京区 ¥6,439
東京都 新宿区 ¥6,431
東京都 豊島区 ¥6,423
東京都 品川区 ¥6,266
東京都 目黒区 ¥6,252
東京都 中野区 ¥6,192

[2-2] 高額トップ10(東京23区除く)

東京23区を除くと、大阪市24区の多くが上位を占めました。それ以外では、大阪市と同様に区がある横浜市川崎市が上位にランクインしています。

地域 1畳当たり家賃(円)
大阪府 大阪市 西区 ¥5,698
大阪府 大阪市 中央区 ¥5,678
神奈川県 横浜市 西区 ¥5,562
神奈川県 川崎市 中原区 ¥5,275
東京都 武蔵野市 ¥5,255
神奈川県 川崎市 川崎区 ¥5,081
大阪府 大阪市 北区 ¥4,966
京都府 京都市 中京区 ¥4,957
大阪府 大阪市 福島区 ¥4,899
大阪府 大阪市 浪速区 ¥4,880

[2-3] 低額トップ10

家賃が最も安いのは、石川県 珠洲市でした。住んでいる方には失礼かもしれませんが場所が分からないので調べたところ、能登半島最先端(石川県の先端)の市でした。

地域 1畳当たり家賃(円)
石川県 珠洲市 ¥694
北海道 赤平市 ¥819
北海道 三笠市 ¥860
高知県 室戸市 ¥929
北海道 歌志内市 ¥968
福岡県 嘉麻市 ¥971
秋田県 男鹿市 ¥975
岩手県 陸前高田市 ¥991
北海道 夕張市 ¥994
長崎県 西海市 ¥998

終わりに

高額トップと低額トップを比較すると、大きな差があり驚きました。家賃のみで住む地域を決める人は少ないかもしれません。ただ、場所に捉われない職業の人であれば検討する余地があると思いました。

出典

*1:PIRO4DによるPixabayからの画像

【政府統計】全国の家賃を政府統計データから調べてみた

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*1

政府の統計窓口:e-Stat」の各種調査から、全国市区町村の家賃を調べました。

[1] 社会・人口統計体系

都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)」から、都道府県別の家賃(2018年)を取得しました。

[1-1] 民営借家、公営借家、給与住宅の違い

家賃は次の4種類取得できました。

  • 民営借家の1畳当たり家賃
  • 公営借家の1畳当たり家賃
  • 都市再生機構(UR)の1畳当たり家賃
  • 給与住宅の1畳当たり家賃

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関東地方の都県を比較しすると、東京都が高いことが分かります。また、民営借家と比較して公営借家、給与住宅が安いことも分かります。

[1-2] 1畳当たり家賃を1DKに換算すると?

1畳当たり家賃だとよく分からないので、1DK当たりに換算します。

  • 1DKは概ね30m2
  • 1畳は1.82405m2
  • 1DKは約16.5畳

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民営借家で比較すると、東京の高さが際立ちますね。

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上記画像はホームズより引用

参考にホームズで立川駅徒歩8分の1DKを見ると、34.2m2でした。この物件は少々広めの1DKに感じます。なので、1DKは概ね30m2と考えて良いでしょう。

この物件の家賃は8.5万円、東京都は9.5万円です。9.5万円は高く感じられるので、都心部分が平均を押し上げているのかもしれません。

[1-3] 全国の都道府県別家賃

関東地方だけでなく、全国の都道府県の家賃も見てみます。なお、桁は千円単位になるように四捨五入しています。

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大都市がある都道府県は高い傾向にあり、それ以外は概ね4.0〜4.5万円となっています。

[2] 小売物価統計調査(動向編)

小売物価統計調査では、生活に必要なモノの価格が調査されています。家賃は、毎月の動向を明らかにする「動向編」から取得しました。

[2-1] 1坪あたりの家賃から1DKの家賃に変換

社会・人口統計体系と同様に、公営や都市再生機構の家賃も取得できましたが、今回は民営借家の家賃のみを見ていきます。

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単位が1坪(3.3m2)あたりの家賃なので、1DK(30m2)あたりに変換します。

  • 1DKは概ね30m2
  • 1坪は3.3m2
  • 1DKは約9.1坪

[2-2] 調査対象

大まかには次の通りです。詳細は「小売物価統計調査(動向編)関連情報」を参照してください。

  • 政令指定都市、県庁所在市
  • 上記以外の人口15万以上の市
  • 人口5万以上15万未満の市
  • 人口5万未満の市・町村

[2-3] 県庁所在市及び人口15万以上の市の家賃

いわゆる大きい都市の家賃です。

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「社会・人口統計体系」で見た都道府県別の家賃と同様、首都圏の家賃は高いという結果でした。関西も全体的に高いですが、長崎市が近隣の市の中で群を抜いて高いのは面白いですね。

[2-4] 社会・人口統計体系との違い

「社会・人口統計体系」と比べると、家賃の金額が低いのが気になりました。調査方法の違いによるものかもしれませんが、結論は分かりませんでした。

[社会・人口統計体系] 世帯に配布する調査票甲及び乙並びに調査員が記入する建物調査票により [小売物価統計調査(動向編)] 調査事業所を訪問し、事業主から家賃、延べ面積等を聞き取り

調査方法は下記URLに記載された内容を抜粋しました。住人に聞くのと、事業主(管理会社?)に聞くのとで差があるのかもしれません。また、調査対象の抽出方法が異なるのかもしれません。

[2-5] 人口5万以上15万未満の市の家賃

市によって家賃の金額はまだらです。人口15万以上の市と比較すると底は低く、3万円を切る市が増えています。

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[2-6] 人口5万未満の市の家賃

人口5満未満になると家賃が5万円を超える市は無くなり、全体的に低い傾向です。

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終わりに

予想通りでしたが、大都市圏、特に首都圏の家賃が高いことが分かりました。もちろん、築年数や立地によって家賃は変わるので、あくまで全体的な傾向ではありますが。

以前であれば、通勤は避けられないものでしたが、コロナ禍によりリモートワークが増えました。大都市圏に住む必要が無いならば、人の少ない地方に住んで家賃を抑えるというのも良い手かもしれません。

[備考] 各調査の概要・調べ方

社会・人口統計体系

社会・人口統計体系では、都道府県・市区町村ごとの様々なデータを見ることができます。

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様々なデータの中から家賃を絞り込むのは、以下の画像の通りに行いました。

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なお、本データの大元は住宅・土地統計調査です。

項目の定義は以下の通りです。

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小売物価統計調査(動向編)

小売物価統計調査では、家賃以外にも米からティッシュペーパーまで、生活に関わる様々なモノの価格が調査されています。

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動向編には、月次と年次のデータがありますが、家賃は年次から取得しています。

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出典

*1:PIRO4DによるPixabayからの画像

【政府統計】係長の給与は500人以上の企業だと3割増し [e-Stat(政府統計): 令和2年職種別民間給与実態調査(2)]

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*1

前回に引き続き「令和2年職種別民間給与実態調査」を見ていきます。今回は企業規模により給与がどれくらい変わるかに焦点を絞りました。

わかったこと

  • 500人以上企業と100人未満企業とで、平社員の給与は2割前後違う
  • 500人以上企業と100人未満企業とで、主任の給与は2〜3割違う
  • 500人以上企業と100人未満企業とで、係長の給与は概ね3割違う

[1] 係員の給与

係員はいわゆる平社員です。一つ上の役職は主任です。

[1-1] 事務係員

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「50人以上100人未満企業」の平均給与を基準に「100人以上500人未満企業」「500人以上企業」と平均給与を比較しました。

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「100人以上500人未満企業」だと1割増し「500人以上企業」だと2割増しという結果になりました。20代に比べると、30代以降の方が差大きくなっています。

[1-2] 技術係員

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技術についても同様に、「100人以上500人未満企業」だと1割増し「500人以上企業」だと2割増しという結果になっています。

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[2] 主任

主任は定義が曖昧ですが、平社員よりも少し出来る人といった感じです。

[2-1] 事務主任

20代前半はデータ数が少なく比較できませんが、30代以降は比較可能です。

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平社員(係員)よりも、企業規模による差が大きくなっています。「500人以上企業」だと2.5〜3割増しという結果になっています。「100人以上500人未満企業」は係員と大きな違いはありません。

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[2-2] 技術主任

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技術は事務と比べて、年齢によるバラつきがあります。大別すれば、「500人以上企業」だと2〜3割増し「100人以上500人未満企業」は0.5〜1.5増しという結果です。

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[3] 係長

係長は本調査の定義では「係の長及び係長級専門職」となっています。

[3-1] 事務係長

20代はデータ数が少なく比較できませんが、30代以降は比較可能です。

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主任以下よりも企業規模による差が顕著になっています。「500人以上企業」だと3割前後増しです。

「100人以上500人未満企業」は年齢によって異なっており、年齢が上がるにつれて差が開くという結果になっています。

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[3-2] 技術係長

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技術も「500人以上企業」だと3割前後増しと、「500人以上企業」の給与の高さが目を引きます。

一方「100人以上500人未満企業」と「50人以上100人未満企業」とで1割程度の違いしかありません。

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終わりに

企業規模によって2,3割給与が違うことが分かりました。大企業の方が給与が高いというのは誰もが認知していることですが、具体的な数字を見ると改めて大きな違いだなと感じますね。

出典

*1:mohamed HassanによるPixabayからの画像

【政府統計】事務の方が技術に比べて出世したときに給与が高くなる [e-Stat(政府統計): 令和2年職種別民間給与実態調査(1)]

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*1

今回は「令和2年職種別民間給与実態調査」から得られた情報や考察を紹介していきます。2020年4月時点の給与です。

www.e-stat.go.jp

わかったこと

  • 初任給は学歴が高い方が金額が高い
  • 役職が上になるほど給与も高くなる
  • 事務の方が技術に比べて、出世したときに給与が高くなる
  • 大企業の方が給与は高い
  • 事務・非製造業は管理職と非管理職とで給与の差が大きく開く(課長代理vs係長)
  • 技術の方が事務に比べて、給与の年功序列が強い(役職間の差が小さい)
  • 事務・製造業は、役職間の給与の差がはっきりしている(役職が上がれば給与はちゃんと上がる)
  • 大学卒の方が高校卒に比べて給与が高い

前提条件

調査対象

従業員数50人以上の企業が対象になります。したがって、一般の割合に比べれば、大企業に偏った調査結果であると言えます。

企業規模50人以上、かつ、事業所規模50人以上の全国の民間事業所。 なお、本年は、新型コロナウイルス感染症に対処する医療現場の厳しい環境に鑑み、 病院は調査対象から除外した。

調査説明の資料

調査期間

2021年6月29日から9月30日です。

[1] 調査対象の人数

約335万人が対象になっています*2。「労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)12月分結果」によれば、日本の就業者は6,666万人、雇用者は5,984万人です。雇用者の約5%が対象となっています。

また、下記表を元に産業別調査対象者数の割合を概算すると、製造業が38%と大きな割合を占めています。

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調査対象となった事業所の規模の割合を比較すると、100人以上500人未満が最も多いです。調査対象が最低50人以上の事業所となっていることからも、大企業にやや偏った調査結果であると言えます。

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[2] 初任給

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職種、学歴別の初任給です。学歴の高い方が金額が高くなっています。高校卒が最も低く、博士過程終了が最も高くなっています。

職種では技術者が事務員に比べて、やや高い金額です。

[3] 職種別平均支給額

[3-1] 調査人員の割合

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[3-2] 職種の定義

  • [支店長・工場長] 構成員50人以上の支店(社)の長(取締役兼任者を除く。)
  • [事務部長・技術部長] 2課以上又は構成員20人以上の部の長。職能資格等が上記部の長と同等と認められる部の長及び部長級専門職(取締役兼任者を除く。)
  • [事務部次長・技術部次長] 上記部長に事故等のあるときの職務代行者。職能資格等が上記部の次長と同等と認められる部の次長及び部次長級専門職。中間職(部長-課長間)。
  • [事務課長・技術課長] 2係以上又は構成員10人以上の課の長。職能資格等が上記課の長と同等と認められる課の長及び課長級専門職。
  • [事務課長代理・技術課長代理] 上記課長に事故等のあるときの職務代行者。課長に直属し部下に係長等の役職者を有する者。課長に直属し部下4人以上を有する者。職能資格等が上記課長代理と同等と認められる課長代理及び課長代理級専門職。中間職(課長-係長間)。
  • [事務係長・技術係長] 係の長及び係長級専門職。
  • [事務主任・技術主任] 係長等のいる事業所における主任。係長等のいない事業所における主任のうち、課長代理以上に直属し、部下を有する者。係長等のいない事業所において、職能資格等が上記主任と同等と認められる主任。中間職(係長-係員間)。

主任・係長は定義が曖昧なため調べてみましたが明確な定義が見つかりませんでした。ネットで色々調べてみるに以下のイメージです。

  • 主任:一人前
  • 係長:管理もするけど管理職の権限は持たない
  • 課長代理:ここからが管理職、課長の代行権を持つ

[3-3] 平均支給額

当たり前の結果ですが、役職が上になるほど給与も高くなっています。

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用語の定義は次の通りです。

「きまって支給する給与」
基本給はもとより、年齢給、勤続給、地域給、寒冷地手当、能率給、家族手当、住 宅手当、精勤手当、職務手当、通勤手当、役付手当、超過勤務手当、夜勤手当、休日 手当等月ごとに支給される全ての給与を含めたものをいう。
「時間外手当」
きまって支給する給与に含まれ、超過勤務手当、休日手当、宿日直手当、裁量手当 等の時間外手当をいう。
通勤手当
きまって支給する給与に含まれ、通勤定期券、ガソリン代などの現物支給されたも のを含めたものをいう。

職種別民間給与実態調査

技術の方が事務よりも時間外手当が高くなっています。技術の方が残業時間が長いということでしょう。

時間外手当と通勤手当を除いた金額は、係長までは技術の方が高く、課長代理以降は事務の方が高くなっています。事務の方が出世するほど給与の伸び幅が大きくなっています。

[3-4] 平均年齢

平均年齢も役職が上になるほど高くなっています。

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[4] 年齢階層別平均支給額

[4-1] 職種別

前章でも述べたように、事務の方が出世に伴う給与の伸び幅が大きくなっています。一方、技術は役職が変わっても事務ほどの差はありません。

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一方、係員・主任・係長を比較すると技術の方が高い金額となっています。また、係員と主任の差が大きくなっています。

しかし、課長代理以降ですと、事務の方がやや高くなっています。また、技術の方が年齢による差が大きくなっており、若くして出世しても給与が上がりづらい傾向が読み取れます。技術の方が年功序列が強いと言えます。

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[4-2] 職種・企業規模別(事務)

企業規模別で見ると、やはり大企業の方が給与は高くなっています。また、前提的な傾向として、係長と課長代理とで差が開いています。管理職になると責任も重くなるので給与も一段階上がるということでしょう。

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[4-3] 職種・企業規模別(技術)

企業規模500人以上の場合には、技術も役職によってそれなりに給与の差がありました。係長と課長代理とで差がかなり少ないのは意外でした。管理職か否かで差があるのは事務だけのようです。

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企業規模500人未満の場合には、役職が上がっても給与に大きな差がありません。特に、100人未満の場合、本当に差が少なくて驚きました。傾向としては、主任と係長、課長代理と課長との差がほとんどありません。

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[4-4] 産業別

製造・非製造で見ると、製造の方が比較的、役職に応じて給与に差が出る傾向が見られます。特に、事務・製造に顕著な傾向です。

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非製造は特徴的で、前項までに述べてきた事務と技術間の違いがはっきり見られました。

係長・課長代理間の給与の差が大きいのは、事務・非製造ということがわかりました。

また、役職間で給与の差が少なく年功序列の傾向がみられるのは、技術・非製造です。

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[4-5] 学歴

学歴で見ると、大学卒が高校卒に比べて高い傾向にあります。

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高校卒の方は課長代理以降の役職と給与とが比例していませんが、理由はわかりませんでした。

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技術の方も事務と同様に、大学卒の方が給与が高い傾向にあります。

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技術の方は、高校卒の給与が役職と給与とが比例はしていますが、主任から次長で、役職間の給与差が小さくなっています。

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終わりに

今回は皆が気になるであろう、給与の統計データを見てきました。一般的に認知されていることですが、学歴が高く大企業の方が給与が高いという結果が見られました。大企業に学歴の高い人が集まりやすいということもあるでしょう。

次回も「令和2年職種別民間給与実態調査」から分かることを紹介します。

predora005.hatenablog.com

出典

*1:mohamed HassanによるPixabayからの画像

*2:正確には3,351,612人