【政府統計】企業年金の受給資格は勤続年数や年齢によって決まる [e-Stat(政府統計): 民間企業退職給付調査(3)]
前回に引き続き「民間企業の勤務条件制度等調査(民間企業退職給付調査)」の2016年次データを紹介します。
わかったこと
わかったことは次の通りです。
- 大企業になるほど、企業年金制度を設けている場合が多い
- 企業年金の受給資格は、勤続年数が要件となるケースが8割弱を占めている
- 企業年金の受給資格が勤続年数要件のみの場合、勤続年数5年以上で約50%の人が受給資格を得る
- 企業年金の受給資格が勤続年数要件かつ年齢要件の場合、79%が60歳で受給資格を得る
- 企業年金の支給開始時期は、厚生年金支給開始時または定年退職時の人が半数以上を占めている
[2] 退職一時金・企業年金制度の状況
[2-9] 企業年金の種類の状況
大企業になるほど、企業年金制度があるケースが多いです。種類としては、確定給付企業年金(規約型)、確定拠出年金(企業型)が多いです。
確定給付企業年金、確定拠出年金の主な違いは、会社が運用するか自分で運用するかです。確定給付企業年金は会社が運用し、確定拠出年金は自分で運用します。
確定給付企業年金の規約型・基金型の違いは、規約型が母体企業が信託会社・生命保険会社等と契約し管理・運用し、基金型は母体企業とは別に法人を設立して管理・運用します。
[2-10] 企業年金の種類別受給資格の状況
企業年金を受給するための資格は、勤続年数が要件となる場合が多く、加えて年齢も要件となる場合も多いです。
[2-11] 受給資格として勤続年数又は年齢の要件を設けている場合の要件の状況
勤続年数を要件にしている場合、勤続年数要件のみの場合は勤続年数5年以上で約50%の人が受給資格を得ます。勤続年数25年以上であれば95%以上です。一方、勤続年数要件かつ年齢要件の場合、半数以上の人が勤続年数20年以上でないと受給資格が得られません。
年齢要件を設けている場合のほとんどが、勤続年数要件との併用です。年数要件は60歳で受給資格を得るケースが79%と圧倒的に多いです。
60歳になる前に退職したら年金を受給できないのでしょうか? この点は調べてもわかりませんでした。
[2-12] 企業年金の種類別支給開始時期の状況
企業年金の支給開始時期は、厚生年金支給開始時または定年退職時の人が半数以上を占めています。どちらの条件に該当するとしても、大抵の人は65歳までには支給が開始されると言えます。
[2-13] 企業年金の種類別支給期間の状況
企業年金の多くは有期の場合が多いですが、厚生年金基金の場合には終身が7割を超えています。
終身の場合には保証期間が設けられています。保証期間は下記サイトによると次の通りです。
通算企業年金の特長と注意点|通算企業年金のおすすめ|企業年金連合会
保証期間とは、年金受取開始年齢から80歳に達するまでの期間のことを指し、その間に亡くなられたり、病気や災害などの理由があった場合に、選択一時金や死亡一時金を受け取ることができます。
終身ではなく有期の場合は、全体で見ると10年が50%強、20年が30%弱となっています。
終わりに
私が勤めている中小企業は企業年金制度が無いため、馴染みのない内容が多かったです。勤続年数が長いほど高い金額をもらえるのは、退職一時金と同じでした。
次回は、企業規模と勤続年数別の退職金などについて見ていきます。