【政府統計】家賃の金額別分布、居住室の畳数別分布[e-Stat(政府統計): 住宅・土地統計調査]
今回は、政府統計の総合窓口(e-Stat)の「平成30年 住宅・土地統計調査)」より、全国の都道府県の家賃を取得しました。
「住宅・土地統計調査」では家賃の金額のみではなく、家賃の金額別分布や、居住室の畳数ごとの家賃なども載っています。
[1] 家賃の金額別分布
[1-1] 金額別分布の全国平均
「平成30年 住宅・土地統計調査」によれば、住宅用借家の総数は約1,800万戸*2あります。
これらを家賃の金額別で見ると、4〜6万円未満が全体の30%を占めています。また、全体の7割は2〜8万円にかたまっていることが分かります。
一方、東京都の分布を見ると6〜8万円未満が最も多く、全国との違いが見られます。
[1-2] 都道府県別の金額別分布
家賃が全国の中でも高額な東京都、神奈川県、京都府の分布を比較してみます。家賃0円〜6万円未満で見ると、全国は約60%、東京都は約30%、神奈川県は約40%、京都府は約60%となっています。
一方、家賃が低額な青森県、宮崎県、北海道についてです。家賃0円〜6万円未満は、3道県ともに80%前後を占めています。
[1-3] 京都府の分布が全国と似通っている理由
京都の分布が全国と似通っていますが、これは全国平均が押し上げられた結果です。以下のグラフは、全国の借家数のうち各都道府県がどれくらいの割合を占めているのか示したものです。
家賃が高い都道府県は人口が多く、借家数も多い傾向にあります。東京都、大阪府、神奈川県、愛知県だけで全国の40%を占めています。そのため、全国平均が高額家賃の都道府県の方に偏ったと言えます。
[2] 居住室の畳数別家賃
[2-1] 居住室の定義
居住室の定義は、その名の通り居住空間です。なので、トイレや廊下、洗面所や浴室は含みません。
「居住室」とは、居間・茶の間・寝室・書斎・客間・仏間・食事室兼台所などをいいます。
統計局ホームページ/平成30年住宅・土地統計調査 調査の概要
[2-2] 畳数別家賃の全国平均
居住室の畳数別家賃の全国平均は次の通りです。当たり前ですが、広くなるほど家賃が高くなっています。
居住室の定義から考えると、下記が大まかな目安になります。
- 5.9畳以下 → 狭いワンルーム
- 6.0~11.9畳 → 1R, 1K, 1DK
- 12.0~17.9畳 → 1DK, 1LDK, 2DK
- 18.0~23.9畳 → 1LDK, 2DK, 2LDK
- 24.0~29.9畳 → 2LDK, 3DK, 3LDK
- 30.0畳以上 → 上記以上
[2-3] 都道府県別の畳数別家賃
家賃が高額な都道府県と全国平均を比較すると、東京都が群を抜いて高いことが分かります。
家賃が低額な都道府県は、東京都と比べると劇的に低くなっていると感じられます。一人暮らしが6.0〜11.9畳だとすれば、東京都は約6.5万円、青森県は約3.5万円と3万円の差がありました。
終わりに
今回は、人口の多い都道府県の結果に全国平均が押し上げられていました。平均を見る際にはデータの偏りを考慮する必要があると実感できました。