【政府統計】全国の家賃を政府統計データから調べてみた
「政府の統計窓口:e-Stat」の各種調査から、全国市区町村の家賃を調べました。
[1] 社会・人口統計体系
「都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)」から、都道府県別の家賃(2018年)を取得しました。
[1-1] 民営借家、公営借家、給与住宅の違い
家賃は次の4種類取得できました。
- 民営借家の1畳当たり家賃
- 公営借家の1畳当たり家賃
- 都市再生機構(UR)の1畳当たり家賃
- 給与住宅の1畳当たり家賃
関東地方の都県を比較しすると、東京都が高いことが分かります。また、民営借家と比較して公営借家、給与住宅が安いことも分かります。
[1-2] 1畳当たり家賃を1DKに換算すると?
1畳当たり家賃だとよく分からないので、1DK当たりに換算します。
- 1DKは概ね30m2
- 1畳は1.82405m2
- 1DKは約16.5畳
民営借家で比較すると、東京の高さが際立ちますね。
参考にホームズで立川駅徒歩8分の1DKを見ると、34.2m2でした。この物件は少々広めの1DKに感じます。なので、1DKは概ね30m2と考えて良いでしょう。
この物件の家賃は8.5万円、東京都は9.5万円です。9.5万円は高く感じられるので、都心部分が平均を押し上げているのかもしれません。
[1-3] 全国の都道府県別家賃
関東地方だけでなく、全国の都道府県の家賃も見てみます。なお、桁は千円単位になるように四捨五入しています。
大都市がある都道府県は高い傾向にあり、それ以外は概ね4.0〜4.5万円となっています。
[2] 小売物価統計調査(動向編)
小売物価統計調査では、生活に必要なモノの価格が調査されています。家賃は、毎月の動向を明らかにする「動向編」から取得しました。
[2-1] 1坪あたりの家賃から1DKの家賃に変換
社会・人口統計体系と同様に、公営や都市再生機構の家賃も取得できましたが、今回は民営借家の家賃のみを見ていきます。
単位が1坪(3.3m2)あたりの家賃なので、1DK(30m2)あたりに変換します。
- 1DKは概ね30m2
- 1坪は3.3m2
- 1DKは約9.1坪
[2-2] 調査対象
大まかには次の通りです。詳細は「小売物価統計調査(動向編)関連情報」を参照してください。
- 政令指定都市、県庁所在市
- 上記以外の人口15万以上の市
- 人口5万以上15万未満の市
- 人口5万未満の市・町村
[2-3] 県庁所在市及び人口15万以上の市の家賃
いわゆる大きい都市の家賃です。
「社会・人口統計体系」で見た都道府県別の家賃と同様、首都圏の家賃は高いという結果でした。関西も全体的に高いですが、長崎市が近隣の市の中で群を抜いて高いのは面白いですね。
[2-4] 社会・人口統計体系との違い
「社会・人口統計体系」と比べると、家賃の金額が低いのが気になりました。調査方法の違いによるものかもしれませんが、結論は分かりませんでした。
[社会・人口統計体系] 世帯に配布する調査票甲及び乙並びに調査員が記入する建物調査票により [小売物価統計調査(動向編)] 調査事業所を訪問し、事業主から家賃、延べ面積等を聞き取り
調査方法は下記URLに記載された内容を抜粋しました。住人に聞くのと、事業主(管理会社?)に聞くのとで差があるのかもしれません。また、調査対象の抽出方法が異なるのかもしれません。
[2-5] 人口5万以上15万未満の市の家賃
市によって家賃の金額はまだらです。人口15万以上の市と比較すると底は低く、3万円を切る市が増えています。
[2-6] 人口5万未満の市の家賃
人口5満未満になると家賃が5万円を超える市は無くなり、全体的に低い傾向です。
終わりに
予想通りでしたが、大都市圏、特に首都圏の家賃が高いことが分かりました。もちろん、築年数や立地によって家賃は変わるので、あくまで全体的な傾向ではありますが。
以前であれば、通勤は避けられないものでしたが、コロナ禍によりリモートワークが増えました。大都市圏に住む必要が無いならば、人の少ない地方に住んで家賃を抑えるというのも良い手かもしれません。
[備考] 各調査の概要・調べ方
社会・人口統計体系
社会・人口統計体系では、都道府県・市区町村ごとの様々なデータを見ることができます。
様々なデータの中から家賃を絞り込むのは、以下の画像の通りに行いました。
なお、本データの大元は住宅・土地統計調査です。
項目の定義は以下の通りです。
小売物価統計調査(動向編)
小売物価統計調査では、家賃以外にも米からティッシュペーパーまで、生活に関わる様々なモノの価格が調査されています。
動向編には、月次と年次のデータがありますが、家賃は年次から取得しています。