【政府統計】大企業・大卒だと定年退職金の平均は3,000万円を超える [e-Stat(政府統計): 民間企業退職給付調査(4)]
前回に引き続き「民間企業の勤務条件制度等調査(民間企業退職給付調査)」の2016年次データを紹介します。
わかったこと
わかったことは次の通りです。
- 勤続年数41年で定年退職する人が最も多い(高卒で60歳定年)
- 定年退職の退職一時金は概ね800〜1,000万円
- 企業年金の受給額は大企業の方が圧倒的に多い
[3] 退職一時金・企業年金の支給状況
[3-1] 退職者数
定年退職者の割合は、勤続年数37年、41年が多いことが分かります。これは、高卒・大卒の人達の多くが60歳で定年に達するためです。18歳で高卒であれば勤続年数41年で、22歳で大卒であれば勤続年数37年で60歳に達します。勤続年数42年も多いことから、当時(2016年の42年前は1974年)は中学卒も多かったことが伺えます。
会社都合退職の人数は、定年退職ほど多くありません。勤続年数30年以降が比較的多いことが分かります。
[3-2] 退職一時金
意外なことに企業規模によって極端な差はありませんでした。勤続年数40年前後では、1,000万円前後が平均です。ただ、調査対象に従業員数50人未満の企業が含まれていないので、そのような企業ではより少ない可能性もあります。
会社都合退職に関しては、従業員数50人から100人未満の標本数が少なく信頼性に欠けます。ただ、会社都合ということもあり定年退職に比べて高い金額を受け取っている傾向があると言えます。
[3-3] 企業年金
退職一時金とは異なり、大企業と中小企業とで大きな差がありました。大卒・大企業の場合、退職一時金と合わせると3,000万円を超えています。
注意点は、そもそも企業年金制度を設けている企業が、従業員の多い企業に偏っていることです。従業員数100人未満の企業の6割以上は企業年金制度を設けていません。
会社都合退職に関しては、標本数が少ないですが、従業員数の多い企業ほど高い金額を受け取れる傾向にあります。
終わりに
大企業の退職金が中小企業に比べて多いという、世間の認識を裏付ける内容でした。これだけ見ると大企業に勤めた方がいいと思ってしまいますが、私は20代のうちから60歳のときのことなんて考える気にはなりませんでした。昔に比べれば、長く勤めて退職金をもらうよりも働けるうちに稼ぐという風潮が強まっている気はします。