【読書】「フードテック革命」の感想 (1/2)
「フードテック革命」という書籍を読んだので、紹介していきます。
内容が多かったので、2回に分けて書いています。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF%E9%9D%A9%E5%91%BD-%E4%B8%96%E7%95%8C700%E5%85%86%E5%86%86%E3%81%AE%E6%96%B0%E7%94%A3%E6%A5%AD-%E3%80%8C%E9%A3%9F%E3%80%8D%E3%81%AE%E9%80%B2%E5%8C%96%E3%81%A8%E5%86%8D%E5%AE%9A%E7%BE%A9-%E7%94%B0%E4%B8%AD%E5%AE%8F%E9%9A%86-ebook/dp/B08DFXTMLB/ref=tmm_kin_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=www.amazon.co.jp
[1] フードテックとは
フードテックという言葉は、FoodとTechnologyを掛け合わせた言葉です。近年、フードテックへの投資額が増えています。2010年は10億ドル以下、2017年は60億ドル弱でしたが、2019年には140億ドルに達しています。
フードテックの中でも「代替肉」はすでにアメリカで流行り始めています。「代替肉」とは動物の肉を使わない肉であり、大豆などの植物性原料を使ったものが主流です。
日本の食文化はアメリカとは異なりますから、アメリカほど流行らないにせよいずれ流行りが来そうです。
代替肉以外にも、キッチンOSやフードロボットも今後台頭してきそうです。
[2] フードテック x サステナビリティ
フードテックが流行り始めている理由は、他分野と同様にイノベーションによる側面は大きいです。しかし、健康被害や環境問題を改善という観点も大きく影響しています。
近年、企業に対するサステナビリティへの取り組みは重要視されてきています。サステナビリティは持続可能性のことです。短期的な利益のみを追求するのではなく、社会・環境・経済それぞれが長期的に持続可能な取り組みをしようというものです。
サステナビリティは日本でも若干浸透してきた程度ですが、海外ではより浸透しています。投資対象としての判断に、サステナビリティは重要視されてきています。
健康被害や環境問題の改善は、サステナビリティを促進する内容です。今後フードテック業界への投資はより活発になると予想されます。フードテックがより進歩して、いずれ爆発的に普及していくのではないかと感じます。
[3] アフターコロナ
新型コロナウィルスの影響で外食業界は大きな影響を受けました。日本でもUber Eatsや出前館といったデリバリーが流行っています。
また、家庭で料理をする人も増え、調理家電の売上も急増しました。節約したい人が増えた可能性もありますが、そうではないと言われています。料理をするという行為を楽しんだり、家族とのコミュニケーションを図るために、料理をする人が増えたと予想されています。
新型コロナウィルスの影響で、食に問われる価値も変わってきていると言えます。単なる栄養補給としての食事ではないということです。
アフターコロナで求められる注目領域は5つです。
[4] 代替プロテインの躍進
[4-1] 市場の活況
代替プロテイン(代替肉)は動物の肉を使わないタンパク質(肉)です。代替プロテイン市場は急成長を遂げています。その代表格がインポッシブルフーズです。
インポッシブルフーズの植物性パティは全世界で1万5千店以上のレストランで採用されています。資金調達規模は10億2,800万ドルです。他にもビヨンドミートが急成長を遂げており、大手食品メーカーもこの2社も含めた各スタートアップへ出資しています。
[4-2] 畜産の問題点
代替プロテインが盛り上がった背景には世界人口の増加があります。2050年には100億人になると予想されています。近年は貧困層が減り中間層が増えてきているため、肉の消費量が大きく増えると見込まれています。
肉の主な供給源は畜産ですが、畜産は数多くの問題を抱えています。
1つ目は道義的な問題です。効率化が進んだ結果、動物たちは狭い場所に押し込まれています。また品種改良を繰り返した結果、自らの足で立てなくなるほどになっています。
2つ目は環境問題です。動物を育てるには、飼料・水・空調管理など膨大なエネルギーを必要とします。地球上には家畜の牛15億頭、豚10億頭、鶏5,000億羽が存在しています。これらの動物を育てるエネルギーは人間全体の水と食料の消費量を大きく上回っています。
一方、ヴィーガン(完全菜食主義者)であれば、生涯を通して生きるために必要な食物を育てるために必要な農地は、平均的な肉食の人の18分の1です。植物を育てて食す方が環境に良いというわけです。
このような背景もあり、植物性原材料から作られた植物性代替肉が流行り始めています。
[4-3] 代替肉の進化レベル
代替肉の進化には5段階に分類されます。
レベル1:肉の代用品、レベル2:肉もどきです。どちらも肉とは異なる風味であり調理法も肉とは異なります。
レベル3:肉に近い喫食体験。肉の食感だけでなく味も近づけたものですが、肉好きを満足させるには至らない程度です。
レベル4:肉と同じ調理〜喫食体験。インポッシブルフーズやビヨンドミートが到達しているのがこの段階です。調理すると赤みが茶色く変色し肉の香りが広がるなど、肉に近い調理体験です。味と食感も肉に近く、肉好きを満足させるのがレベル4です。
レベル5:肉以上の機能性。調理・喫食体験が肉と同じな上に、肉以上の栄養素や保存性を実現したものです。この段階には未だ誰も到達していません。
おわりに
海外ではすでにフードテックの波が来ていることを紹介しました。新型コロナウィルスの影響が更なる追い風となりそうです。
日本株の基礎指標(PERや配当利回り)をpythonでスクレイピングを使って取得する (2)
前回の続きです。前回は「みんなの株式」から、単一銘柄のPERや配当利回りをスクレイピングで取得しました。今回は複数銘柄の情報を統合してみます。
[1] DataFrameにまとめる
pandasのDataFrameに複数銘柄の情報をまとめます。pandasはデータ分析用のライブラリです。DataFrameはpandasの基本構造で表形式のデータです。
[1-1] pandasのインストール
pip3 install numpy --user pip3 install pandas --user
[1-2] DataFrameの作成
鉄道関係 5銘柄の情報を取得し、DataFrameにまとめます。get_basic_info
は前回の内容を関数化したものです。
jre_dict = get_basic_info(9020) # JR東日本 jrc_dict = get_basic_info(9022) # JR東海 jrw_dict = get_basic_info(9021) # JR西日本 tokyu_dict = get_basic_info(9005) # 東急 kintetsu_dict = get_basic_info(9041) # 近鉄 jre_sr = pd.Series(jre_dict.values(), index=jre_dict.keys(), name='JR東日本') jrc_sr = pd.Series(jrc_dict.values(), index=jrc_dict.keys(), name='JR東海') jrw_sr = pd.Series(jrw_dict.values(), index=jrw_dict.keys(), name='JR西日本') tokyu_sr = pd.Series(tokyu_dict.values(), index=tokyu_dict.keys(), name='東急') kintetsu_sr = pd.Series(kintetsu_dict.values(), index=kintetsu_dict.keys(), name='近鉄') df = pd.DataFrame([jre_sr, jrw_sr, jrc_sr, tokyu_sr, kintetsu_sr])
結果、以下のような内容にまとめることができました。
始値 | 高値 | 安値 | 配当利回り | ... | |
---|---|---|---|---|---|
JR東日本 | 6,510.0円 | 6,580.0円 | 6,479.0円 | 2.53% | ... |
JR東海 | 14,280.0円 | 14,450.0円 | 14,280.0円 | 1.04% | ... |
JR西日本 | 5,000.0円 | 5,078.0円 | 4,959.0円 | 3.59% | ... |
東急 | 1,372.0円 | 1,379.0円 | 1,360.0円 | 1.67% | ... |
近鉄 | 4,745.0円 | 4,770.0円 | 4,720.0円 | 1.05% | ... |
[2] 単位を削る
'円'や'%'などの単位が付与された状態ですが、平均値を出す場合など計算する際には邪魔になります。DataFrameから単位を削っていきます。
[2-1] 正規表現を使う
正規表現を使って、不要なものを削っていきます。
以下は株価(始値, 高値)の例です。カンマと円が不要なので削っていきます。株価は銘柄ごとに異なっており、5桁のものもあれば3桁のものもあるため、どれにも対応できるようにしています。
import re yen = '1,234.5円' # 正規表現で'円'より前の文字列を抽出 yen_re = re.search(r"([+-]?\d{1,3}(,\d{3})*\.\d+)円", yen) yen = yen_re.group(1) # カンマを削除 yen = value.replace(',', '') # 実数に変換 yen = float(yen) print(yen) # 1234.5
[2-2] すべての列に適用する
[2-1]と同様の処理を、すべての列に適用します。DataFrameのmapメソッドを使い、列ごとに変換処理を行っていきます。
[2-2-1] 変換用の関数を用意する
まずは、以下のような変換関数を用意します。円, 株といった単位ごとに関数を用意してもよいのですが、面倒なので全単位に対応できる関数を用意しました。
# 単位を削除する関数 def trim_unit(x): # 単位=円を削除 yen_re = re.search(r"(\d{1,3}(,\d{3})*\.\d+)円", x) if yen_re: value = yen_re.group(1) value = value.replace(',', '') return np.float64(value) # 単位=%を削除 perc_re = re.search(r"(\d+\.\d+)%", x) if perc_re: value = perc_re.group(1) return np.float64(value) # 単位=株を削除 stock_re = re.search(r"(\d{1,3}(,\d{3})*)株", x) if stock_re: value = stock_re.group(1) value = value.replace(',', '') return np.int64(value) # 単位=倍を削除 times_re = re.search(r"(\d+\.\d+)倍", x) if times_re: value = times_re.group(1) return np.float64(value) # 単位=百万円を削除 million_yen_re = re.search(r"(\d{1,3}(,\d{3})*)百万円", x) if million_yen_re: value = million_yen_re.group(1) value = value.replace(',', '') value = np.int64(value) * 1000000 return value # 単位=千株を削除 thousand_stock_re = re.search(r"(\d{1,3}(,\d{3})*)千株", x) if thousand_stock_re: value = thousand_stock_re.group(1) value = value.replace(',', '') value = np.int64(value) * 1000 return value return x
[2-2-2] map関数で各列に変換処理を行う
pandasのmap関数を使用して、上に挙げたtrim_unit
を各列に対して適用します。
# 各列に対して、trim_unitを適用する new_df = df.copy() for col in df.columns: new_df[col] = new_df[col].map(lambda v : trim_unit(v))
[3] 各列の統計量を算出する
[3-1] 平均値と標準偏差の算出
単位を削り数値に変換できたので、各列の平均値と標準偏差を求めます。
mean = new_df.mean() # 平均値 std = new_df.std() # 標準偏差
求めた平均値と標準偏差をDataFrameにまとめると、以下の結果が得られました。
statistics = pd.DataFrame( {'平均値': new_df.mean(), '標準偏差': new_df.std()})
平均値 | 標準偏差 | |
---|---|---|
始値 | 6381.4 | 4798.0 |
高値 | 6451.4 | 4858.9 |
安値 | 6359.6 | 4806.1 |
配当利回り | 1.976 | 1.088 |
単元株数 | 100 | 0 |
PER(調整後) | 18.738 | 14.714 |
PSR | 0.91 | 0.39 |
PBR | 1.118 | 0.628 |
出来高 | 1.081580e+06 | 5.990959e+05 |
時価総額 | 1.629025e+12 | 1.001244e+12 |
発行済株数 | 3.181594e+08 | 1.887879e+08 |
[3-2] 統計量と各銘柄データを結合
求めた統計量を、各銘柄のデータと結合して比較してみます。
ここで比較に役に立たないと思われるデータは削ります。また、出来高と時価総額は桁数が多いので、見やすい桁数になるように単位を変換します。
# 各銘柄のデータと統計量を結合する。 new_df2 = new_df.append(statistics.T) # 出来高と時価総額の単位を変換する。 new_df2['出来高'] = new_df2['出来高'] / 1.0e+3 new_df2['時価総額'] = new_df2['時価総額'] / 1.0e+12 new_df2 = new_df2.rename(columns= {'出来高': '出来高(千株)', '時価総額': '時価総額(兆円)'}) # 不要な列を削除する。 new_df2 = new_df2.drop(columns= ['始値', '高値', '安値', '単元株数', '発行済株数', '購入金額'])
以下だけで読み取れる情報は未だ少ないですが、近鉄のみPER, PBRが大きいと分かります。
配当利回り | PER(調整後) | PSR | PBR | 出来高(千株) | 時価総額(兆円) | 株主優待 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
JR東日本 | 2.53 | 12.39 | 0.83 | 0.77 | 1965.8 | 2.458450 | 株主優待割引券、自社施設サービス券、人間ドック割引券 |
JR東海 | 1.04 | 7.07 | 1.60 | 0.76 | 701.9 | 2.957130 | 株主優待乗車証 |
JR西日本 | 3.59 | 10.85 | 0.64 | 0.79 | 1247.9 | 0.970065 | 鉄道優待、グループ優待 |
東急 | 1.67 | 19.61 | 0.73 | 1.05 | 1104.6 | 0.856696 | 株主優待乗車証、自社グループ優待券 |
近鉄 | 1.05 | 43.77 | 0.75 | 2.22 | 387.7 | 0.902784 | 株主優待乗車証、自社施設割引券 |
平均値 | 1.98 | 18.74 | 0.91 | 1.12 | 1081.6 | 1.629025 | NaN |
標準偏差 | 1.09 | 14.71 | 0.39 | 0.63 | 599.1 | 1.001244 | NaN |
終わりに
今回は複数銘柄の基本指標を取得し、比較するところまで行いました。次回は、決算情報の取得を行います。
*1:Lorenzo CafaroによるPixabayからの画像
日本株の基礎指標(PERや配当利回り)をpythonでスクレイピングを使って取得する (1)
本記事では、日本株の基礎指標をスクレイピングで取得する手順を紹介しています。また、スクレイピング先のサイトがスクレイピングを禁止していないか確認する方法にも触れています。
[1] きっかけ
今年はコロナウィルスやアメリカ大統領選挙の影響で、株価が大きく変動しましたね。 また、「人生100年時代」や「老後資金が2,000万円必要」とか言われたりしていますから、株式投資に興味を持ち始めた人も多いのではないかと思います。
株式投資をする際に何を基準にして売買するのかは人によって違います。「ドルコスト平均法で積立」「チャートを見る」「企業の業績を見る」など色々な方法があると思います。
私はこれまで、企業の業績を見る方法は取ってきませんでしたが、取り入れてみることにしました。ただ、どうせ取り入れるなら、面倒なところはプログラミングと絡めて自動化したいなと思いました。
しかし、下記サイトを参考にさせていただいたところ、APIを使ってお手軽に取得とはいかないようです。そこで、気象データ取得の際にも活用したスクレイピングで、企業情報を取得してみます。
別記事では、pandas-datareaderを用いたAPIでの株価取得、スクレイピングでの株価取得を紹介しています。よければ、そちらもご覧になってください。
[2] 時価総額やPERなどの指標を取得
「みんなの株式」から情報を取得させてもらいます。
今回は、時価総額やPERなどの基本的な指標を取得します。JR東日本をはじめとした鉄道会社の情報を集めます。
[3] スクレピング可能か確認する
スクレイピングを禁止しているサイトも多くあります。「みんなの株式」がスクレピング可能か否かを確認します。
スクレイピング可能であったとしても、取得元のWebサイトに負荷をかけないように気をつけましょう。
[3-1] 規約を確認する
まずは規約を確認します。例えば、Yahoo!ファイナンスではスクレイピングを禁止しています。利用規約やFAQ、ヘルプを探してみましょう。
Yahoo!ファイナンスはヘルプに書かれています(2020/11/23時点)。
Yahoo!ファイナンスでは、Yahoo!ファイナンスに掲載している株価やその他のデータを、プログラム等を用いて機械的に取得する行為(スクレイピング等)について、システムに過度の負荷がかかり、安定したサービス提供に支障をきたす恐れがあることから禁止しています。
[3-2] robots.txtの確認
Googleなどの検索エンジンのクローリング(Webサイトの巡回)を最適化するためのファイルが「robots.txt」です。robots.txtは各Webサイトで持っており、クローリング時にアクセスを許可 または 禁止するURLを定義しています。
「robots.txt」が見つからない場合もありますが、見ることができればスクレイピング先へのアクセスが禁止されていないか確認できます。
詳細は下記サイトの説明を参考にさせてもらいました。
スクレイピング、クローリングする時の注意点 — Pythonオンライン学習サービス PyQ(パイキュー)ドキュメント
みんなの株式のrobots.txtを確認してみます。スクレイピングしたいのは「stock/」以下です。具体的には「stock/銘柄のコード/」になりますが、禁止されていないようです。
User-Agent: * Allow: / Sitemap: https://assets.minkabu.jp/concerns/sitemap/sitemap.xml.gz ...(中略)... Disallow: /user/follow/ ...(中略)... Disallow: /stocks/pick/open_form Disallow: /stock/*/community/edit ...(中略)...
[4] ライブラリをインストールする
pip3コマンドでRequestsとBeautifulSoupをインストールします。
pip3 install requests --user pip3 install bs4 --user
また、取得したデータを加工しグラフ表示するために、pandasやmatplotlibもインストールします。
pip3 install numpy --user pip3 install pandas --user pip3 install matplotlib --user
[5] HTMLの中身を確認する
ピンク枠で囲った部分(単元株数やPER)のHTMLを、ブラウザのデベロッパーツールで確認します。
以下のように、リスト要素(ul, li)を使っており、li要素の中にさらにリスト(dt, dd)を持っています。欲しい情報はdt, dd要素に格納されていることが分かりました。
<div class="ly_col ly_colsize_6_fix"> <ul class=" md_list"> <li class="ly_vamd"> <dt class="ly_vamd_inner ly_colsize_3_fix wsnw">単元株数</dt><dd class="ly_vamd_inner ly_colsize_9_fix fwb tar wsnw">100株</dd> </li> <li class="ly_vamd"> <dt class="ly_vamd_inner ly_colsize_3_fix wsnw">PER<span class="fss">(調整後)</span></dt><dd class="ly_vamd_inner ly_colsize_9_fix fwb tar wsnw">12.39倍</dd> </li> <li class="ly_vamd"> <dt class="ly_vamd_inner ly_colsize_3_fix wsnw">PSR</dt><dd class="ly_vamd_inner ly_colsize_9_fix fwb tar wsnw">0.83倍</dd> </li> <li class="ly_vamd"> <dt class="ly_vamd_inner ly_colsize_3_fix wsnw">PBR</dt><dd class="ly_vamd_inner ly_colsize_9_fix fwb tar wsnw">0.77倍</dd> </li> </ul> </div>
[6] ソースコード
[6-1] HTML取得・解析開始
import requests from bs4 import BeautifulSoup # 指定URLのHTMLデータを取得 url = "https://minkabu.jp/stock/9020" html = requests.get(url) # BeautifulSoupのHTMLパーサーを生成 soup = BeautifulSoup(html.content, "html.parser")
[6-2] リスト要素の解析
ul要素のclass名"md_list"で抽出したいところですが、他の箇所でも使われていました。なので、全li要素を抽出して、li要素内のdd, dt要素を取り出していきます。
# データ格納用のディクショナリを準備 basic_info = {} # 全<li>要素を抽出 li_all = soup.find_all('li') for li in li_all: # <li>要素内の<dt>要素を抽出 dt = li.find('dt') if dt is None: # <dt>要素がなければ処理不要 continue # <li>要素内の<dd>要素を抽出 dd = li.find('dd') # <dt><dd>要素から文字列を取得 key = dt.text value = dd.text # ディクショナリに格納 basic_info[key] = value
[6-3] 取り出した結果
以下の情報が取得できました。
print(basic_info) #{'始値': '6,510.0円', # '高値': '6,580.0円', # '安値': '6,479.0円', # '配当利回り': '2.53%', # '単元株数': '100株', # 'PER(調整後)': '12.39倍', # 'PSR': '0.83倍', # 'PBR': '0.77倍', # '出来高': '1,965,800株', # '時価総額': '2,458,450百万円', # '発行済株数': '377,932千株', # '株主優待': '株主優待割引券、自社施設サービス券、人間ドック割引券', # '購入金額': '最安---'}
意図せず、広い範囲の情報が取れましたが、結果オーライです。
「購入金額」のみ情報を取ってこれていませんが、これはスクリプトによって表示する情報(HTMLの中身)を変えていることが理由です。
終わりに
今回は1銘柄の基本指標を取得するところまで行いました。次回は、複数銘柄の情報を取得し統合します。
*1:Lorenzo CafaroによるPixabayからの画像
Kindle本体の費用対効果(何冊読めば元が取れるのか)
<Kindle本体の費用対効果(何冊読めば元が取れるのか)>*1
Amazonの書籍はKindle版の方が紙で購入するよりも安くなっています。Kindle版を購入し続ければ、いつかは紙との差額がKindle本体の価格を超えます。そうすると、元が取れたと言えるわけです。
私はKindle Paperwhiteを2017年7月に購入したので、購入から3年間は経っています。Kindle版の書籍は年に20冊弱、購入しています。
- Kindle Paperwhiteを3年前に購入
- Kindle版の書籍を20冊弱/年 購入
- ビジネス書, 技術書を中心に読む
iPadなどのタブレットでKindle版の書籍を読むケースについては、本議論の対象から除外しています*2。
ざっくり100冊で元は取れる
前提条件によって数字は変わりますが、100冊ほどKindle版の書籍を購入すれば元は取れます。
Kindle本体が、通常版 ¥10,980、Paperwhite 8GB ¥15,980です*3。簡単のために、年数回のセール時に本体を¥10,000で購入したと仮定します。
Kindle版の書籍は、紙の書籍よりも10%ほど価格が低くなっています。仮に、紙の書籍1冊の平均購入価格を¥1,000とすると、 Kindle版の方が1冊あたり¥100安い計算になります。
本体¥10,000、1冊あたり¥100 Kindle版が割安とすると、100冊購入すれば元が取れる計算になります。
実際に元は取れたのか?
まだ取れていません。ただ、あと1年もあれば元が取れそうな状況です。
項目 | 金額 |
---|---|
(1)本体と付属品 | ¥9,900 |
(2)Kindle版と紙の差額 | ¥8,224 |
(3)元が取れるまで | 残り ¥1,686 |
(1) 本体と付属品
Kindle本体に加えて、ケースと保護シールを購入しています。価格は以下の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
Kindle Paper White | ¥6,980 |
ケース | ¥1,680 |
シール | ¥1,250 |
合計 | ¥9,910 |
(2) Kindle版と紙の差額
Kindle版は紙の書籍よりも約10%安くなっています。書籍によってどの程度安くなるのかは変わりますが、ここでは一律10%安くなったものとして計算しました。
項目 | 金額 |
---|---|
Kindle版の購入累計額(55冊) | ¥74,017 |
1冊の平均価格(Kindle版) | ¥1,346 |
Kindle版と紙の差額 | ¥8,224 |
私はビジネス書, 技術書を中心に読みます。小説を中心に読む方と比べると、1冊の平均価格は高くなっているでしょう。
(3) 元が取れるまで
あと、何円分のKindle版書籍を購入すればよいのか計算すると、次のようになります。
(紙の価格) - (Kindle版の価格) = (差額) (Kindle版の価格)÷0.9 - (Kindle版の価格) > ¥1,686 (Kindle版の価格) > ¥15,174
1冊の平均価格¥1,346で割ると、12冊以上購入すればいいことになります。
なので、私の場合、現在の55冊と12冊を足して67冊が元が取れる・取れないの分岐点になります。
元を取る必要はあるのか?
そもそも元を取る・取らないという議論がナンセンスだというのも一理あります。私もそれには同意です。元が取れていなくても、その価格に見合った価値があればいいわけです。
以下は、私が3年間使ってきて感じたメリットとデメリットです。
どのくらいの価格であれば、メリット・デメリットを許容できると感じるかは人によって異なるでしょう。私は¥10,000であれば許容できます。
Kindleのメリット
- 読みたい本がすぐに読める
- スペースを取らない
- 持ち運びが楽 (軽い、薄い)
- 暗いところでも読める
- マーカーを引いたり辞書参照が簡単に出来る*4
Kindleのデメリット
- カラーで読めない
- 画面が小さい (図が見づらい、雑誌は不向き)
- 固定レイアウトの書籍もある (マーカーや辞書参照等ができない)
終わりに
Kindle本体購入の費用対効果について書いてきましたが、結局は個人の価値観によると思います。
私はKindle版の書籍の購入割合が95%くらいであり、ほとんどKindle版で良いと思っています。ただ、紙に比べて不便に感じる部分もまだまだあります。紙の方が良いと思う方がいらっしゃっても不思議ではありません。
しかし、電子書籍は誰もが一度は体験した方が良いと思います。体験してみないと良し悪しは分かりません。
今回は費用対効果という切り口で書いてきましたが、体験を得るという観点でKindleを購入してみるのもよいのではないでしょうか。
【読書】具体化しすぎると部下が育たない(「具体⇔抽象」トレーニングの紹介)
日本人の少なくとも8割以上はサラリーマンであり、必ずと言っていいほど上司と部下という関係が生まれます。しかし、世の中の上司(または先輩)の多くが部下(または後輩)の育成・指導に悩んでいます。
今回読んだ【「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問】では、具体と抽象という切り口で上司と部下の問題を扱っており面白いなと感じました。本書の概要を説明しつつ紹介していきます。
https://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%85%B7%E4%BD%93%E2%87%94%E6%8A%BD%E8%B1%A1%E3%80%8D%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0-%E6%80%9D%E8%80%83%E5%8A%9B%E3%81%8C%E9%A3%9B%E8%BA%8D%E7%9A%84%E3%81%AB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%99%E3%82%8B29%E5%95%8F-PHP%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E7%B4%B0%E8%B0%B7-%E5%8A%9F-ebook/dp/B0868GMSBG/ref=tmm_kin_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=www.amazon.co.jp
本書の特徴
今回読んだ【「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問】について、読む前はタイトルの通り思考トレーニングを繰り返していく本だと思っていました。実際に読んでみると、問題をこなしていくような感じではなく、具体と抽象に関して身近な具体例を挙げて説明していく形式でした。
著者は世の中のコミュニケーションギャップの多くは、具体と抽象の違いから生まれると述べています。上司と部下の例もそのうちの一つです。
依頼する側と依頼される側
上司は仕事を依頼する側で、部下は上司から依頼される側という関係になります。
上司と部下の関係がうまくいかない原因の一つが、仕事の依頼におけるコミュニケーションギャップです。上司から見れば自分の伝えたいことが伝わらない、部下から見れば上司の意図が分からない、というケースです。これは、お互いが期待していることの間にギャップが生じているということです。
このギャップが何から生まれるのか、その原因の一つが具体と抽象のレベルが噛み合っていないことです。例えば、部下は具体的な指示を求めているのに上司が抽象的な指示を行う場合にギャップが発生します。
上司の指示と部下の期待の4パターン
上司の指示が抽象的か具体的かと、部下が期待しているのがどちらなのか、マトリックス表*1にすると以下のようになります。
パターン1と4は指示と期待が噛み合っています。一方、パターン2と3は指示が期待と異なるため、部下は上司に不満を持つことになります。
上記のパターンを踏まえて、仕事でのやり取りを振り返ってみると、なぜ会話が上手くいったのか、あるいは、上手くいかなかったのかが分かるかもしれません。
しかし、上司の立場からすると、毎回具体的に指示を出すわけにもいきません。具体的な指示を出すためには準備の時間がかかります。上司は大抵複数の部下を見ているわけですから、部下一人一人に割ける時間は限られています。
上司と部下の理想的進化過程
本書では、以下の図*2で上司と部下の理想的な成長過程を描いています。
部下が新入社員のときは、具体的に手取り足取り教える必要があります。部下が仕事に慣れ成長するにつれて、上司は具体的な指示を減らし部下が考える比重を大きくしていきます。
図では、部下がチャレンジする余地を残しています。この隙間を埋めて上司が具体的な指示をすると、部下が創意工夫する余地がなくモチベーションを奪ってしまうからです。
終わりに
この本を読むのをオススメするのは「具体側の人間」です。日頃、具体的なモノの見方をする人が抽象的な見方も知ると、見える世界が広がると思います。 上司と部下の関係以外にも、人とのコミュニケーションであったり日常でのモノの見方であったり、日々に活かせそうな考え方がいくつも載っていました。
一方で、抽象的なモノの見方をする人は具体的な見方も理解できるので、新しい発見はあまり無いかもしれません。とは言え、日常的に抽象的な見方をする人は少数派です。なので、多くの人にとっては読む価値のある本ではないかと思います。
【読書】「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」の感想
<世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事>*1
タイトルに偽りなく、本当にシンプルな内容です。
今まで知らなかった健康に良い食品が見つかるとか、そういったことは一切ありません。日本は食事に関する情報が溢れていて、そのときの流行り廃りがあったりします。
そういったことを排除して、当たり前のことをシンプルに整理してくれているという印象です。
本当に健康に良い食品と悪い食品
冒頭で結論が述べられています。
健康に良い食品は、魚、野菜と果物、茶色い炭水化物、オリーブオイル、ナッツ類の5つです。
健康に悪い食品は、赤い肉、白い炭水化物、バターなどの飽和脂肪酸の3つです。
茶色い炭水化物は、玄米や蕎麦などを指します。赤い肉は、牛肉や豚肉で鶏肉は含まず、特に加工肉が体に悪いとされています。
日本には食事と健康の情報が溢れすぎている
日本では、本当にたくさんの食事と健康に関する情報が溢れています。その中には科学的根拠の無い情報も数多くあります。
しかし、専門家でない人はどの情報が正しいのかを判断することが難しいです。
さらに判断を困難にしているのが、各業界への忖度です。本書では白米が例として取り上げられています。
もしも国が白米の食べ過ぎは良くないと言ってしまうと、白米の消費量が減り生産に影響が出ます。そのため、本当は白米は1日2杯以下が良いとしても、3〜5杯食べることを推奨するといったことが起きます。
科学的根拠のある情報とは
本書では数多くの信頼できる研究結果に基づいた結論だとしています。
では信頼できる研究結果がどう言ったものかというと、エビデンス(科学的根拠)が存在し、エビデンスのレベルが高いもののことです。
エビデンスには大きく分けて、ランダム化比較試験と観察研究とがあります。
ランダム化比較試験は、くじ引きのような方法で2グループに分け、片方のグループにはある食品を摂取してもらい、もう片方は摂取しないでもらう方法です。
観察研究は、既に存在する、ある食品を摂取しているグループと摂取していないグループを見つけてきて、比較する方法です。
この2つだと、ランダム化比較試験の方が観察研究よりも強いエビデンスです。
複数のランダム化比較実験を取りまとめる手法を「メタアナリシス」と呼びますが、複数の実験で同じ結論になれば、より信頼できる結果だと言えます。筆者は、このメタアナリシスこそが最強のエビデンスだと述べています。
本書で紹介している、健康に良い・悪い食品はメタアナリシスに基づいています。なので、科学的に証明された信頼できる内容だというわけです。
本書のオススメポイント
世の中は食事と健康に関する情報が溢れていて、どの情報が正しいのか判断するのが難しいです。私も専門的な知識を有しているわけではないので、何が本当に正しいのかは分かりません。
結局のところ、本書の内容も正しいのかどうか判断がつかないので、自分の信じたいものを信じるということになると思います。
本書の良い点は、結論がシンプルな点です。
よく、〇〇という栄養素が体に良い、××抜きダイエットが良いというのを耳にしますが、継続するのが難しいです。仮に体に良いとしても、継続できなくては意味がありません。
一方、本書で健康に良いとされている食品を増やし、健康に悪いとされている食品を減らすことは難しくありません。本書を読んだのは約2年前になりますが、無理なく継続できています。
流行り廃りに左右されたくない、確度の高い結論がほしいと考えている方には、オススメできる内容でした。
*1:Lukas BieriによるPixabayからの画像
【読書】「世界のエリートがやっている 会計の新しい教科書」の感想
<世界のエリートがやっている 会計の新しい教科書>*1
とても分かりやすい内容だったので紹介しようと思いました。
企業の決算書(1年間の業績)に含まれる、貸借対照表と損益計算書が何者なのか基礎から非常に分かりやすく説明されています。
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%8C%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B-%E4%BC%9A%E8%A8%88%E3%81%AE%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8-%E5%90%89%E6%88%90%E8%8B%B1%E7%B4%80-ebook/dp/B011BK4O86www.amazon.co.jp
日本の会計教育は時代遅れ
日本の会計教育は旧来からアップデートされていないため非常に分かりづらい。そのため、日本のビジネスマンは会計が苦手という現状を招いている、というのが筆者の主張です。
一方、海外の会計教育は進んでおり、日本の会計教育だけが取り残されています。筆者はそのことを憂いており、会計教育の主流となりつつある方法を紹介しようというのが本書です。
貸借対照表から先に学ぶ
日本の会計教育では、損益計算書から学びます。しかし、貸借対照表(BS、バランスシート)から先に学ぶ方が、会計の意味を理解するのには適しています。筆者はBSアプローチと読んでいました。
なぜかと言うと、損益計算書は貸借対照表の明細だからです。明細の方を先に知る前に、大元である貸借対照表から学ぶのが自然であるということです。
前半は最高、後半はそれなり
これは私の感想です。
前半はBSアプローチの説明であり、貸借対照表の意味と見方の説明からスタートし、最終的には損益計算書と仕訳についても説明してくれています。
仕訳とは、簿記上の取引を記録する作業のことです。簿記は、お金やものの出入りを記録するための方法*2です。つまり、仕訳とはお金やものの出入りを記録する作業です。
仕訳の具体例から簡単な貸借対照表と損益計算書の書き起こす説明がされていました。練習問題も用意されており、非常に分かりやすかったです。
一方、後半は実際の貸借対照表と損益計算書の解説と、この二つに登場する用語(売上原価、貸倒引当金、のれん等)の説明があります。最後の方は、経営分析について少し紹介しています。
後半も決して悪いわけではありませんでしたが、前半がとても良かっただけに比較すると説明不足感がありました。本書が想定しているメインターゲットは、会計にあまり詳しくないか会計を苦手としている人だと思うので、その人達が着いて来れるのかなという印象を抱きました。
対象読者
会計に苦手意識のある人、決算書の読み方をこれから知りたい人にオススメできる内容です。
私は簿記を一切やったことはありませんが、簿記は出来るけど意味を説明することはできない人にも読んで欲しいと、筆者の吉成さんは仰っていました。
後半はそれなりと書いてはしまいましたが、前半だけでも十分に読む価値のある本だと思います。