【読書】「世界のエリートがやっている 会計の新しい教科書」の感想
<世界のエリートがやっている 会計の新しい教科書>*1
とても分かりやすい内容だったので紹介しようと思いました。
企業の決算書(1年間の業績)に含まれる、貸借対照表と損益計算書が何者なのか基礎から非常に分かりやすく説明されています。
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日本の会計教育は時代遅れ
日本の会計教育は旧来からアップデートされていないため非常に分かりづらい。そのため、日本のビジネスマンは会計が苦手という現状を招いている、というのが筆者の主張です。
一方、海外の会計教育は進んでおり、日本の会計教育だけが取り残されています。筆者はそのことを憂いており、会計教育の主流となりつつある方法を紹介しようというのが本書です。
貸借対照表から先に学ぶ
日本の会計教育では、損益計算書から学びます。しかし、貸借対照表(BS、バランスシート)から先に学ぶ方が、会計の意味を理解するのには適しています。筆者はBSアプローチと読んでいました。
なぜかと言うと、損益計算書は貸借対照表の明細だからです。明細の方を先に知る前に、大元である貸借対照表から学ぶのが自然であるということです。
前半は最高、後半はそれなり
これは私の感想です。
前半はBSアプローチの説明であり、貸借対照表の意味と見方の説明からスタートし、最終的には損益計算書と仕訳についても説明してくれています。
仕訳とは、簿記上の取引を記録する作業のことです。簿記は、お金やものの出入りを記録するための方法*2です。つまり、仕訳とはお金やものの出入りを記録する作業です。
仕訳の具体例から簡単な貸借対照表と損益計算書の書き起こす説明がされていました。練習問題も用意されており、非常に分かりやすかったです。
一方、後半は実際の貸借対照表と損益計算書の解説と、この二つに登場する用語(売上原価、貸倒引当金、のれん等)の説明があります。最後の方は、経営分析について少し紹介しています。
後半も決して悪いわけではありませんでしたが、前半がとても良かっただけに比較すると説明不足感がありました。本書が想定しているメインターゲットは、会計にあまり詳しくないか会計を苦手としている人だと思うので、その人達が着いて来れるのかなという印象を抱きました。
対象読者
会計に苦手意識のある人、決算書の読み方をこれから知りたい人にオススメできる内容です。
私は簿記を一切やったことはありませんが、簿記は出来るけど意味を説明することはできない人にも読んで欲しいと、筆者の吉成さんは仰っていました。
後半はそれなりと書いてはしまいましたが、前半だけでも十分に読む価値のある本だと思います。