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【読書】「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」の感想

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<世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事>*1

タイトルに偽りなく、本当にシンプルな内容です。

今まで知らなかった健康に良い食品が見つかるとか、そういったことは一切ありません。日本は食事に関する情報が溢れていて、そのときの流行り廃りがあったりします。

そういったことを排除して、当たり前のことをシンプルに整理してくれているという印象です。

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本当に健康に良い食品と悪い食品

冒頭で結論が述べられています。

健康に良い食品は、魚、野菜と果物、茶色い炭水化物、オリーブオイル、ナッツ類の5つです。

健康に悪い食品は、赤い肉、白い炭水化物、バターなどの飽和脂肪酸の3つです。

茶色い炭水化物は、玄米や蕎麦などを指します。赤い肉は、牛肉や豚肉で鶏肉は含まず、特に加工肉が体に悪いとされています。

日本には食事と健康の情報が溢れすぎている

日本では、本当にたくさんの食事と健康に関する情報が溢れています。その中には科学的根拠の無い情報も数多くあります。

しかし、専門家でない人はどの情報が正しいのかを判断することが難しいです。

さらに判断を困難にしているのが、各業界への忖度です。本書では白米が例として取り上げられています。

もしも国が白米の食べ過ぎは良くないと言ってしまうと、白米の消費量が減り生産に影響が出ます。そのため、本当は白米は1日2杯以下が良いとしても、3〜5杯食べることを推奨するといったことが起きます。

科学的根拠のある情報とは

本書では数多くの信頼できる研究結果に基づいた結論だとしています。

では信頼できる研究結果がどう言ったものかというと、エビデンス(科学的根拠)が存在し、エビデンスのレベルが高いもののことです。

エビデンスには大きく分けて、ランダム化比較試験と観察研究とがあります。

ランダム化比較試験は、くじ引きのような方法で2グループに分け、片方のグループにはある食品を摂取してもらい、もう片方は摂取しないでもらう方法です。

観察研究は、既に存在する、ある食品を摂取しているグループと摂取していないグループを見つけてきて、比較する方法です。

この2つだと、ランダム化比較試験の方が観察研究よりも強いエビデンスです。

複数のランダム化比較実験を取りまとめる手法を「メタアナリシス」と呼びますが、複数の実験で同じ結論になれば、より信頼できる結果だと言えます。筆者は、このメタアナリシスこそが最強のエビデンスだと述べています。

本書で紹介している、健康に良い・悪い食品はメタアナリシスに基づいています。なので、科学的に証明された信頼できる内容だというわけです。

本書のオススメポイント

世の中は食事と健康に関する情報が溢れていて、どの情報が正しいのか判断するのが難しいです。私も専門的な知識を有しているわけではないので、何が本当に正しいのかは分かりません。

結局のところ、本書の内容も正しいのかどうか判断がつかないので、自分の信じたいものを信じるということになると思います。

本書の良い点は、結論がシンプルな点です。

よく、〇〇という栄養素が体に良い、××抜きダイエットが良いというのを耳にしますが、継続するのが難しいです。仮に体に良いとしても、継続できなくては意味がありません。

一方、本書で健康に良いとされている食品を増やし、健康に悪いとされている食品を減らすことは難しくありません。本書を読んだのは約2年前になりますが、無理なく継続できています。

流行り廃りに左右されたくない、確度の高い結論がほしいと考えている方には、オススメできる内容でした。

*1:Lukas BieriによるPixabayからの画像